マスターシェフ『クリスティン・ハー』 ベトナム系アメリカ人アートアンバサダー

マスターシェフ『クリスティン・ハー』 ベトナム系アメリカ人アートアンバサダー

最近、クリスティン・ハーさんは駐ベトナム米国大使館からアートアンバサダーに任命されました。ベトナムで過ごした日数は長くはありませんでしたが、彼女は多くの人々の心に非常に良い印象を残してきました。困難を乗り越えて自分を主張し、ベトナム料理文化を世界中に広める彼女の物語と旅は、ベトナム国民のインスピレーションの源となっています。

マスターシェフのクリスティン・ハーさん。

ベトナムのマスターシェフ、クリスティン・ハーさんのアートアンバサダー・プログラムでは、カボチャ、シナモン、生姜、チーズなどのアメリカとベトナムの食材を使って柔らかいケーキに組み合わせるという特別なレシピの月餅の作り方を目の見えない子供たちに指導しました。彼女は視覚障害がある子供たちにもキッチンに立つよう促し、奨励しています。

月餅作りの指導に加えて、「起業家精神における女性:ベトナムと米国における課題と機会」というテーマのディスカッションにも参加し、ソン・ラ省ブオット村で少数民族の女性たちと一緒に料理を作ったり、REACH研究所で学ぶ恵まれない若者たちと交流したり、米国鶏卵輸出協会が主催するヒューテック大学での米国産鶏肉を使った創作料理コンテストの審査員を務めたりしました。クリスティン・ハーさんが行く先々で行った積極的かつ継続的な活動は、ベトナム国民に歓迎され、愛されています。


クリスティン・ハーはアメリカで生まれ育ち、両親はベトナム人です。子供時代はずっと母親が作ったベトナム料理を食べてきました。彼女の祖国ベトナムへの愛は、主に彼女が経験した文化遺産を通じて生まれました。14歳の時に母親が亡くなり、徐々に視力を失ってしまうという人生最大の出来事にも遭遇しました。しかし、彼女は独立心旺盛で、テキサス大学オースティン校で経営管理学の学士号を取得して卒業し、ヒューストン大学クリエイティブ・ライティング・プログラムで美術修士号を取得しました。また、文芸雑誌『ガルフ・コースト』の編集長を務めました。作家としてのキャリアと料理の才能が共鳴し、米国の「マスターシェフ」コンテストに参加したとき、彼女は輝きを放つようになりました。何と、3万人の参加者を破り、クリスティン・ハーさんが優勝したのです。

 

受賞後、ハーさんの新たなキャリアの扉が開かれました。彼女の最初の料理本「Recipes from My Home Kitchen」は、ニューヨークタイムズのベストセラーリストにランクインしました。アクティブなライフスタイルを持つ彼女は、国連で障害者の権利保護についてスピーチを行い、米国のベトナム人社会で大きな反響を呼び、多くの人々から愛されました。

 

在外米国大使館の料理大使、カナダの料理番組「Four Senses」の司会者やベトナム「MasterChef」の審査員を務めるなど、クリスティン・ハーさんは料理の才能でキャリアをスタートさせました。2020年、彼女はヒューストンに最初のレストラン「The Blind Goat」をオープンした後、2020年9月にシェフのトニー・グエン氏とともにニ軒目のレストラン「Xin Chào」、2023年に三軒目のレストラン「Stuffed Belly」をオープンしました。

 


 

三軒のレストランはいずれも、魚の煮込み、卵と肉の煮込みなど、多くの素朴な料理で有名です。特にハーさんは、ほとんどの料理の調味料としてベトナムのヌォック・マム(魚醤)を使用しています。また、ベトナムの食材やスパイスをアメリカ料理やカナダ料理と組み合わせて、地元料理と各国料理の文化的多様性を生み出しています。

 

クリスティン・ハーさんは、子供の頃から母親が作ってくれた料理が記憶に残っていると語っていました。心を込めて料理を作り、アメリカ人の友人にベトナム料理を教える活動にも参加したハーさんは、ベトナムの食材とスパイスがインスピレーションであり、料理を成功させるための違いでもあります。彼女は誰よりも祖国ベトナムを愛し、レストランを開き、ベトナム料理を作ることは亡き母への愛の一環であり、自分のルーツである母なるベトナムの地を思い出させてくれます。

クリスティン・ハーさんのファンとの記念撮影。

文:ビック・ヴァン

撮影:タイン・ザン

訳者:ソン・タム・クエン



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